労働関係・社会保険関係の法令や人事・労務管理問題に関する
タイムリーな話題を取り上げていきます。
一直線に行かない副業の拡大 法整備には十分な時間が必要
 働き方改革の課題の一つとして、「副業・兼業の促進」が挙げられています。会社側にとっても、「副業を通じた創業・新事業の創出や中小企業の人手不足対応」といった効果を期待できます。
 ダブルワークの環境を整えるため、労働・社会保険の整備も課題となっています。厚生労働省では、このほど、雇用保険に関する検討会の報告書を公表しました。
 一つの方向性として、「複数事業所の週所定労働時間が20時間以上になった時点で、本人申出に基づき加入させる」等の案を示し、試行的な制度運用を行うのも有力と提言しました。
 ただし、総論としては「新しい仕組みの対象となるマルチジョブホルダーの数は少数で、事務コスト等も考慮すると、保険給付よりは求職者支援制度や職業訓練で対応するのが適当」という見解を表明しています。
 政府は熱を入れて旗を振りますが、事務方は「雇用保険の制度全体を大きく変えるには、少し時期尚早」と後ろ向きの姿勢をみせている感じです。
 会社組織等でも、トップが懸命に新方針を打ち出すのに対して、従業員が保守的な見解に固執するという図式がしばしば生じます。まさに、「笛吹けど踊らず」です。
 しかし、事務方の厚労省も、現行体制のままで副業・兼業の拡大に対応できない点は痛切に感じているようです。
 たとえば、別の検討会では「副業・兼業の場合の労働時間管理」に関する研究を進めています。労基法第38条では、「複数事業場の労働時間通算」について定めていますが、その解釈に関しては未確定な部分が少なくありません。
 こちらの方面でスッキリした考え方が提示されれば、企業実務の現場でも対応方針を決めやすくなります。次の検討会報告は、労務担当者にとって注目です。
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