労働関係・社会保険関係の法令や人事・労務管理問題に関する
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いよいよパワハラも法制化へ 予防の前提は上司の意識改革
 厚生労働省の労働政策審議会では、パワーラスメント防止対策に関する審議を進めています。
 逆にいうと、今はパワハラが明文の法律で規制されていないということです。しかし、これはペナルティーを受けないという意味ではありません。裁判では、民法の使用者責任や債務不履行責任等の規定により、慰謝料等の支払いが命じられています。
 それでは何をやるかというと、セクハラやマタタラと同様に、指針を定めて、事業主に対してパワハラが発生しないように必要な措置を講じる義務(措置義務)を課そうというのです。
 新たに措置義務を定めるとどうなるかというと、これがまた分かりにくい内容となっています。たとえばセクハラについては均等法11条に規定がありますが、「作為・不作為の請求権や損害賠償請求権を与えるような私法上の効力を持つものではない」(菅野和夫「労働法」)と解説されています。
 しかし、均等法には紛争の解決援助の仕組みが設けられていて、セクハラ関係のトラブルも、都道府県労働局長の助言・指導、調停の対象になります。
 今回、議論されているパワハラ防止対策でも、指針の策定と併せて、調停制度、助言・指導に関する規定も整備するという案が示されています。
 セクハラの場合、会社の上層部がそれを支持するというのは、あり得ません。しかし、成績至上主義の企業風土の中では、パワハラに目をつぶる(容認する)経営者・上司がいないと言い切れるでしょうか。セクハラマタハラが法制化されたのは、ぴったり受け皿になる法律(均等法・育介法)があったからという側面もあります。パワハラをどう法律に組み込むかは今後検討される予定ですが、早めの対策が望まれるところです。
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