労働関係・社会保険関係の法令や人事・労務管理問題に関する
タイムリーな話題を取り上げていきます。
指針廃止で就職戦線に異変? 「日本型採用戦略」の再構築を

経団連が、「採用選考に関する指針」の廃止を表明しました。同指針は、新卒学生の就職活動のスケジュール表を定めるものです。

 

これに対して、内閣官房も「関係省庁連絡会議」を発足させ、対応を検討するとしています。

 

振り返れば、平成25年には選考活動の開始を大学4年生の8月開始とする改正が実施されました(平成27年度から適用)。採用選考活動によって、学生が「本来の学業に専念できない」状況が生じているため、「短期決戦」型のスケジュールに組み替えたのです。

 

しかし、「あまりに日程がタイトだ」という批判の声もあり、平成26年には選考活動の開始を6月に前倒ししました(平成28年度から適用)。

 

今回は、さらに踏み込んで、指針の廃止に至ったわけです。振り子の針は学生生活配慮の方向にいったんは振れたのですが、大きく反対方向に揺れ戻し、振り切れてしまった形です。

 

新卒学生の採用戦線が激化し、「抜け駆け」に走る企業が増えるなか、経団連会長は「ルールがうまく機能していないという反省に基づく決定である」というコメントを公表しています。

 

しかし、現状追認ではなく、今後は「新卒一括採用と、募集基準を明確化した通年採用の併用が大事」と述べました。

 

いわゆる就職協定は、名前や性格を変えつつ、昭和28年(27年と記述するものもあります)から存続してきました。資本・商品市場と異なり、「労働力市場」はグローバル化の影響を受けにくい傾向があります。しかし、さすがに抜本的変革が必要な時期に来ているという指摘には一理あります。

 

政府の側も、通年採用の広がりを推進する方針を示しています。これからは、日本型労働慣行の「入り口(採用)」の見直しに向け、議論が本格化しそうです。

- - -
<< NEW | TOP | OLD>>