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「働き方改革法」が成立 施行日・内容の再確認を

政府が最重要法案と位置付けていた「働き方改革関連法案」が、曲折の末、国会で可決・成立しました。現法案の前身となる「労基法等改正法案」の国会提出が平成27年4月ですから、3年余の年月を要したことになります。

今後は、改正省令や関連告示の整備に向けた作業が進められます。改正法に適切に対応するため、主な施行スケジュールを改めて確認しておきましょう。

 

■平成31年4月1日

改正労基法の主要部分は、平成31年4月1日施行となります。

●時間外労働上限規制の強化(ただし、中小は1年の猶予措置)

時間外の上限を原則月45時間、年360時間とし、エスケープ条項を発動するときも単月100時間未満、複数月平均80時間(休日労働を含む)年720時間等を限度とします。新ルールが適用されるのは、「平成31年4月1日以後の期間のみを定めている36協定」からです。

なお、新商品開発業務は引き続き適用除外(健康管理義務を強化)、建設・自動車運転等は5年の適用猶予となります。

●使用者に年5日以上の年休付与を義務付け

本人申請・計画的付与による取得が5日未満のとき、使用者が不足分の年休の時季を指定する義務を負います。

ただし、平成31年4月1日以降も、年休付与の最初の基準日到来までは、現行のままの扱いです。

●フレックスタイム制の清算期間を最長3カ月に延長

ただし、ーヶ月超のフレックスタイム制には一定の制限(週平均50時間以内が原則、労使協定の届け出も必要等)を課します。

●高度プロフェッショナル制度の創設

高収入者を対象に、時間外・休日・深夜割増なしの労働時間制を設けます。

このほか、安衛法、労働時間等設定改善法の改正も、平成31年4月1日施行となっています。

●長時間労働時の医師による面接指導の強化

一般労働者の面接指導の基準を、ーヶ月80時間以上(現行100時間)に引き上げます。新製品開発業務(引続き時間外上限規制の適用除外)、高度プロフェッショナル制度対象者については、別制度を設けます。

●労働時間把握義務の強化

管理職も含め客観的な方法により労働時間を把握する義務を課します。

●勤務間インターバル

終業時刻と翌日の始業時刻の間に一定の休息時間(インターバル)を置く努力義務を新設します。

 

■平成32年4月1日

●時間外労働の上限規制の強化

前述のとおり、中小企業は1年遅れの適用となります。中小の定義は次のとおりです。

小売業…資本5000万円または従業員50人以下
サービス業…資本5000万円または従業員100人以下
卸売業…資本1億円または従業員100人以下
その他…資本3億円または従業員300人以下

対象となるのは、「平成32年4月1日以降の36協定」です。

●同一労働同一賃金の実現(パート

労働法、労働契約法、派遣法の改正)均等・均衡処遇に関する規定を整備し、説明義務も強化します(紛争処理システムも整備)。ただし、中小(前述の定義と同じ)については改正パート労働法・労働契約法の適用を猶予します。

■平成33年4月1日

●同一労働同一賃金の実現
前述のとおり、中小については、同一労働同一賃金(派遣法除く)の適用は1年遅れとなります。

 

■平成35年4月1日

前回改正(平成22年施行)では「月60時間超の時間外労働に5割以上の割増賃金支払い」が義務付けられましたが、中小については適用が猶予されていました。
この規定は、平成35年3月末で廃止となります。

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