労働関係・社会保険関係の法令や人事・労務管理問題に関する
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記録文書の保管管理は厳正に 証拠能力が失われるおそれも

財務省の文書書き換え問題は、世間を大いに騒がせました。否認から一転して、事実の存在を認めましたが、なんと修正箇所は300カ所に及ぷということです。

 

さて、企業でも各種の記録文書は、後々、争いが生じた場合に、裁判等の結果を左右する重要なものです。だからこそ、キチンとした保管管理体制の整備が求められます。

 

労働の分野でも、重要な文書に関しては法律で保存期間等が定められています。

 

労基法では、「労働者名簿、賃金台帳、雇入れ、解雇、災害補償、賃金その他の書類」について3年間の保存を義務付けています。

そのほか労災保険に関する書類は3年、雇用保険に関する書類は2年(被保険者関係は4年)等の規定が設けられています。

 

厚生労働省では、現在、賃金の時効期間の検討に合わせ、賃金台帳等の保存期間についても、見直しの必要性があるか否か議論を重ねています。しかし、保存期間が延びても、途中で書き換え等があったとすれば、書類の価値そのものが怪しくなってしまいます。

国会スケジュールには遅れが生じていますが、働き方改革推進法案の目玉の一つに、長時間労働の抑制があります。こちらも、労働時間が正しく記録されることが、規制強化の前提条件となります。

 

また、勤務不良の社員を懲戒解雇する際、実務的には、注意・指導・処分の事実について、詳細な記録を残しておくことが重要といわれています。そうした書類に後から操作が加えられたとすれば、処分の合理性が根底から覆ってしまいます。

 

財務省の騒動では、組織の信用失墜だけでなく、職員の自殺という悲しい結果も伴いました。記録の信頼を貶めることがないように、その取扱いに当たる人間には厳格な職業倫理が求められます。

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