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円滑な転勤制度の整備を 指針策定に向け研究会報告

厚生労働省は、「転勤に関する雇用管理のポイント」の策定に向け、研究会報告書をとりまとめました。

 

会社は人員配置・能力開発という観点から、転勤命令を発令します。判例でも、長期雇用を前提とする従業員については、基本的に会社の配転権を肯定しています。

 

しかし、一方では、介護や子育ての観点から、配転の合理性を争う事案が増えています。法律面でも、育介休業法・均等法で転勤に一定の制限を加えています。

 

研究会では、そうした転勤の現状と課題を踏まえ、仕事と家庭の両立の観点から、3つのポイントを示しました。

 

第1は、現状把握です。転勤を実施する目的(適正配置、人材育成等)を再確認し、実際にどの程度の転勤が行われ、どの程度の効果(副作用としてのトラブルも)が得られているかを検証します。

 

第2は、基本方針の整理です。把握した現状を踏まえ、会社が追求する目的は、転勤によらなければ実現できないかを議論します。やむを得ない転勤に関しては、地理的範囲・期間の限定等により対処します。

 

第3は、運用方法の決定です。報告書では、雇用管理の類型(勤務地限定の有無など)ごとに具体的なメニュー例を提示しました。

総合職・ゼネラリストタイプの従業員については、配転の包括的同意が得られています。しかし、そうであっても、配転の時期・期間等に関して従業員が「中長期的な見通し」を持てるような「目安の共有」が重要と指摘しています。現実に転勤の必要性が生じた場合、候補者に対し一定の配慮(時期・地域の調整等)を行ったうえで、十分な時間を投じて転勤の趣旨・待遇等を説明し、同意を得ます。

 

勤務地限定等の雇用区分を設ける場合は、均等法に基づく「コース別雇用管理指針」に留意しつつ、不当な格差の是正を図る必要があります。

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