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1ヶ月100時間未満で合意 時間外上限で罰則付規制へ

時間外の上限規制に向け、法改正の方向性が固まりました。時間外・休日労働(36)協定を結んでも超えられない上限を、罰則付きで法律に明記する方針です。

 

議論の発端は、政府が平成28年6月に公表した「ニッポン一億総活躍プラン」です。その中に、「労使で合意すれば上限なく時間外が認められる36協定について、再検討を開始する」という一文が盛り込まれました。

 

それを受け、厚生労働省では検討会(仕事と生活の調和のための時間外労働規制に関する検討会)を設置し、議論を重ねてきました。平成29年2月1日に「論点整理」が発表されましたが、長時間労働の抑制に向け、さまざまな角度から提言を行いました。36協定に関しては、ある程度の長い期間を対象とする(1日や1週ではなく)「総量規制」の必要性を強調しています。

 

続いて、平成29年2月14日には、政府の「働き方改革実現会議」に事務局案が提出されました。事務局案では、現行の36協定制度について、「上限を定める基準(労働省告示第154号)には法的な強制力がない」「特別条項(エスケープ条項)を結ぶ際の上限が設けられていない」等の問題点を指摘しました。

 

そのうえで、次のような改正案を示しました。

 

●36協定による時間外労働の限度を、月45時間、年360時間とする。上限は法律に明記し、罰則を課す。

●特別条項を結ぷ場合であっても、超えることができない限度時間を1年720時間(月平均60時間)とする。特に忙しい月についても、上限を設定する。

 

事務局案を踏まえ、労使(経団連・連合)の間で協議が行われましたが、「1ヶ月の上限(100時間以内か未満か)」をめぐって論争が続いていました。最終的に安倍首相の裁定も受け入れる形で、「政労使案」がまとめられました。

 

政労使案(2月17日公表)では、「とくに忙しい時期の上限規制として」次の基準を示しました。

 

●2〜6ヶ月の平均(休日労働を含みます)は80時間以内

●単月(休日労働を含みます)は100時間未満

●月45時間を超える月(特例の発動)は年6回以内

 

さらに、「時間外の削減に関する指針の策定」「勤務間インターバル制度の導入(努力義務)」「施行5年後の見直し実施」等の内容も盛り込まれました。政府は、改正法の国会上程を急ぐ方針です。

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