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無責任体制では改革進まない 「賞罰」明確にし組織活性化を

豊洲市場の問題は、職員の降格人事にまで発展しました。しかし、本稿執筆時点で、真相は闇に包まれたままです。

 

組織人なら、誰しも「自慢したがりの上司」に閉口した経験があるでしょう。「あのプロジェクト案、最初に考えたのは俺なんだ」、「私が根回ししなければ、途中で潰されていたはず」、酒の席では、こういう話のオンパレードです。

 

舞台裏の秘密と称して、自分の手柄を吹聴する人間は、どこにでもいます。しかし、そうしたヨタ話の中にも、事件の核心をつく情報が隠されているかもしれません。

 

古代の中国に、蘇秦という政客がいました。巧みな弁舌で戦国時代の混乱期に活躍しましたが、その死に様は壮烈です。刺客に襲われ死ぬ間際、傍らにいた国王に対して「私の死体を車裂きの刑に処し、『蘇秦は謀反を企てた』というニセ情報を広めてください」といい残しました。

 

刺客はその情報を信じ、「私が謀反者を殺したのだから報奨を得られる」と思い自ら名乗り出た挙句、殺されました。

今回の豊洲騒動でも、マスコミが大々的に報じる前に、「誰がこんな素晴らしい経費削減策を考え付いたのか」と尋ねれば、我も我もと名乗り出る人間がいたのではないでしょうか。「万分のー」でも自分の貢献があれば、「皆に褒められたい」「うまい汁を吸いたい」と考えるのが、人間の悲しい本性です。

 

それはともかく、これだけの大プロジェクトで貴任の所在があいまいというのは、奇妙な話です。都の組織内では、常日頃、どのような形で職員の働きぶりを評価していたのでしょうか。

 

賞罰を明らかにし、公正な処遇を行えば、組織は活性化に向かいます。本稿を読まれる経営者の方々は、ガラス張りの評価・管理制度の整備を心掛け、本事件の「前車の轍を踏まない」ように留意していただきたいとおもいます。

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