労働関係・社会保険関係の法令や人事・労務管理問題に関する
タイムリーな話題を取り上げていきます。
商売の国際化に伴う落とし穴 潜在リスク洗い出して対策を

いささか旧聞に属しますが、2つの新聞記事をご覧いただきます。

 

「築地市場内でバラハタ(シガテラ毒を含むおそれがある)が誤って販売された(中毒者は出ず)」
「成田空港で格安航空会社(LCC)の国際線乗客が、誤って国内線到着口に誘導され、入国手続なしで入国した」

 

こんな地味な記事になぜ目が惹きつけられたかというと、平成28年6月1日が改正労働安全衛生法の施行日だったからです。「風が吹けばオケ屋が儲かる」的な話なので、ゆっくりご説明しましょう。

 

改正安衛法の公布は、2年前の平成26年6月25日に遡ります。このときの改正事項の中には、「ストレスチェック制度の創設」も含まれています。化学物質関連では、リスクアセスメントの義務強化が挙げられます。

 

リスクアセスメントは技術的に複雑な内容を伴うので、法律の公布から施行まで約2年の周知・準備期間が設けられたものです。

リスクアセスメントは基本的に努力義務(安衛法第28条の2)ですが、一定の危険有害性のある物質(640種。厚労省パンフレット)については強制義務となりました(第57条の3)。

 

改正の背景として、技術発達の加速化やグローバル化により、従来は使われなかった物質が作業工程に採用されるケースが増えている点が挙げられます。

 

東京・築地の業者は魚を取り扱うプロですが、魚の仕入先が空間的に広がり、見慣れない魚に遭遇する機会も増えたということでしょう。旅客の移動の活発化により、国境の壁も低くなりつつあります。

 

化学物質以外でも、商売をやるうえで、取引先の範囲が広がり、扱う商品の品目も多様化・国際化する一方です。顧客に被害を与えないように、事業者としては潜在リスクの洗い出しを励行する必要があるでしょう。

- - -
<< NEW | TOP | OLD>>