労働関係・社会保険関係の法令や人事・労務管理問題に関する
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他人事でない難民の受入問題 経済活力高める潜在力を有す
シリア・アフガニスタン等の中東諸国から、大量の難民がヨーロッパに向かっています。移動中に遭難した子供の写真が、世界の聴衆の涙を誘いました。その影響もあってか、難民の受入に同情的な意見も強まっています。

しかし、大量の外国人が流入すれば、EU諸国の経済に混乱をもたらしかねません。異国にたどり着いた難民は、経済の観点からみると、「労働者(あるいは求職者)」に性質を変えます。

低賃金を甘受し、仕事を選り好みしない(3K職場も厭わない)外国人労働者は、経営者にとってありがたい存在です。しかし、同時に「自国の国民(主に単純労働の低収入労働者)が外国人に仕事を奪われる」という問題が発生します。

難民が気の毒だからといって、「庇を貸して母屋を取られる」結果になれば、政権の屋台骨が揺るがされるといった事態も想定されます。難民の受入は、多面的な角度から慎重な検討を要するデリケートな問題です。

その昔のヨーロッパでも、単純労働力の移動が、地域の発展を左右したことがあるといいます。中世から近世への移行期に、技術の発展に伴い大量の人手を必要とする産業が勃興します。

東ヨーロッパでは、奴隷制が主体で農民は土地に縛り付けられていました。一方、西ヨーロッパでは封建制が崩れゆくなかで、人々も比較的、自由に移動する時代に入っていました。どちらが競争の勝者となったのか、結果はいわずもがなでしょう。

日本の労働市場でも、外国人への開放を求める意見が強まっています。ヨーロッパ難民の問題がどんな社会的変動をもたらすのか、わたしたち日本人も注視していく必要があります。自国民・外国人双方にとってハッピーな結果となることを祈る次第です。
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