労働関係・社会保険関係の法令や人事・労務管理問題に関する
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平易そうな用語が実は難解 面倒でも法的定義の再確認を
「ことばの正確な使い方」は難しいものです。法律用語なら、なおさらです。

ちょっと専門的な話ですが、平成27年7月1日から労働安全衛生規則が改正され、足場関係の安全基準が変更されています。関係ない業種の方は、法律用語の正しい理解に関する実例ということで、しばしお付き合いいただければ幸甚です。

従来、原則5メートル以上の構造の足場を組み立てる場合、墜落防止措置を講じる必要がありましたが、今回改正により、2メートル以上に拡大されています(その他の改正点は省略)。

建設現場をみますと、さまざまな鋼材・鋼板等を組み合わせた複雑な足場が組まれています。「○メートルの構造の足場」とひとことでいいますがその高さはどうやって測るのでしょうか。

改まって質問されると、よほどの専門家でないと即答は難しいでしょう。自己流の解釈が誤っていると、本人は法律を順守しているつもりで、実は知らないうちに法違反を犯していたという事態を招きかねません。

このため、厚生労働省では、「○メートル以上」ということばの厳密な定義を示しています(平27・3・31基発0331第9号)。

お役所特有の難解な言い回しなので、エッセンスを要約すると次のようになります。「基本は、作業床までの高さ」を指します。「足場(足が位置する場所)」の高さですから、指摘されるとなるほどです。

しかし、「作業床が最上層に設定されていないときは、最上部の水平材(単管足場の場合)、または最上部の建わくの上端まで(枠組足場の場合)までの高さをいう」と解説されています。

「○メートルの足場」という平明至極にみえる用語でも、法律的に正しく使うとなると、なかなか奥が深いというお話でした。
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