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実質賃金の目減りが慢性化へ 収入を超える物価上昇が要因
「実質賃金」という言葉が、昨年暮れの衆議院選挙の際、新聞、テレビなどの報道でクローズアップされました。「アベノミクス」の是非を問うとき、不満を示す例として、「実質賃金が減り続けている」点が挙げられました。ことばのイメージとしては分かりますが、正確にはどういう意味なのでしょうか。

新聞報道等の根拠となっているのは、厚生労働省の毎月勤労統調査です。その名のとおり、賃金・労働時間等の推移についてーカ月ごとにデータを公表しています。

調査対象となっている「現金給与総額」とは、所定内給与、時間外等の所定外給与、ボーナス等の特別給与の合計です。これは、所得税・社会保険料等を控除する前の金額で、現金給与総額の平均を算出した後で「前年同月」と比較します。

「実質賃金」とは、前記の現金給与総額(名目)を消費者物価指数(持家の帰属家賃を除く総合)で除したものと定義されています。

物価は、平成26年4月の時点で前年同月比3.4%アップしました。それ以降、毎月3%前後のアップ率で推移しています。いうまでもなく、消費税アップや円安の影響を受けたものです。

注目すべきなのは、実質賃金はそれよりずっと前の平成25年7月からマイナスが続き、平成26年10月時点で「16カ月連続減」となっている点です。

物価の上昇局面で、賃上げが追つかないのは経済の常識です。消費税の引上げ以前から、アベノミクスの影響で実質賃金の目減りは続いていたのです。

要は、この「当座の苦しみ」に国民がどれだけ耐えられるか(その先の明るい未来を信じられるか否か)が選挙の重要な争点となったわけでが、結果は、アベノミクスを是とする答えが多かったようです。
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